初心者にとって、いきなりギャラリー等に行くのは少し勇気がいること。自分から積極的に展覧会などに行かない限り、日々の中でアートに触れる機会はなかなかありません。
そこで今回は、“気軽にアートに触れることができるスポット“をご紹介します。取り上げた5つのスポットは、初心者にぜひ足を運んでほしいところばかり。少しずつアートを日常に取り入れて、日々をステキに彩ろう。
ゆったりとしたソファー席や大きな窓から差し込む日差しが心地よい「Cafe KOCSI」。様々なジャンルの本が並ぶ本棚や、さりげなく置かれた雑貨も興味深いものの、特に注目したいのはなんといっても色鮮やかな壁画。実はこの壁画、&ARTでも紹介している画家の足田メロウさんによって描かれたもの。水色や青緑などカフェにはあまり見られない大胆な色使いながら、空間によく馴染み、店内の雰囲気を更に素敵なものに演出している。友達と訪れるのもよし、気ままに1人で立ち寄るもよし。カフェと一体化したアートを体感しに出かけよう。
京都から音楽の素晴らしさを発信し続けるバンド「Soft(ソフト)」のベーシスト、右近雅人さんがオーナーを勤める「ambient cafe mole」。入り口横の大きな楠(くすのき)をはじめ、店内・店外に多くの植物が育っているのが印象的だ。見ているだけで時間を忘れ、その緑に癒されるだろう。更に間接照明に照らされた店内には絶妙な音量で音楽が流れているので、居心地のよさについ長居をしてしまう人も多いはず。友人を中心にギャラリースペースとして貸し出すという店内の壁には、アーティストの作品が飾られていることも。訪れた際には、右近さんとアートや音楽の話に花を咲かせるのもいいかもしれない。
大正時代に建てられた文椿ビルヂングの2階にある「neutron」は、京都では有名なアートカフェギャラリーだ。日々の生活におけるクリエーション(創造)を大切にしているというだけあって、空間も料理もクオリティーが高く、細部まで行き届いた心遣いが見てとれる。店内の空間作りで1番の特徴といえるのは、併設されているガラス張りのギャラリーだろう。様々なアーティストの展示を見ることができるので、想像力を刺激されること間違いなし。アーティストが在廊している時には、作品にまつわる話を直接聞いてみよう。
5月末でカフェ営業を終了し、本社も移転するneutron。今後は美術企画・販売に一本化した活動を行うそう。まだ訪れたことのない人は、閉店までに足を運んでみては。
近所に住む子供達も頻繁に足を運んでくる「Hedgehog」は、まさに“街の本屋さん”といった印象。オーナーは画家として活動の幅を広げているjunaida(ジュナイダ)さんと、その奥さんの絵梨さん。古本をメインに扱う本棚には、絵本や生活にまつわる本を中心に、アート・デザイン関係の本も置かれている。併設している小さなギャラリーでは、&ARTでも紹介している画家のいちかわともこさんの個展が行われたことも。オーナーのjunaidaさんの個展も定期的に行われているので、展示会の情報はこまめにチェックしておくのがおすすめ。
「京都シネマ」は、京都を代表するミニシアター。2004年に現在地のCOCON烏丸で上映をはじめてから7年。アート系から社会派映画まで上映ラインアップは幅広く、他ではなかなか上映していない作品も度々上映しているのが、人気の理由のひとつ。老若男女問わずファンが多いのも特徴だ。学生作品を上映する「京都シネマカレッジウィーク」や、スクリーンに写真を映し出す写真展「スクリーン・ギャラリーの可能性」など、新しい試みもたくさん行われていて興味深い。ふらりと立ち寄って、その場で見る作品を決めてもいいかもしれない。